「人骨展示館」

又吉 栄喜∥著 文芸春秋

 「豚の報い」で芥川賞を取った、又吉さんの、わりと新しい本。新聞で「仏語で出版されることになった」という記事を見て、読んでみたくなった。

 グスク(沖縄の昔の城)後から発掘された人骨について、色々な立場の人がいろいろなことを言う。主人公が発掘現場の地主だった家の娘と一緒に、奇妙な「人骨展示館」を作ろうとするが・・・といった話。1日(数時間)で読んでしまった。

又吉さんの他の作品同様、しっかり「地に足が着いている」感じがする。さすが芥川賞作家、落ち着きがある。難しい言葉を使っているわけではないのに(むしろシンプル)独特の雰囲気があり、面白いのだけど素直に笑えず、色々なことを考えさせる。